不器用
自分の心の機微を文章化することもままならないくらいには忙しい半年だった。
大学院修士1年の前期が終わった。これで4分の1か。
こんな4分の1が4回あって,1になって,終わっていくのだろうか。
そんなの慌ただしすぎてごめんだ,と思うくらいには忙しい半年だった。
わたしは不器用だ。
生きるのが下手で,なおかつ変な方向に捻れている。
でも,その下手さと不器用さをそこそこカバーできる程度には適応的に生きている自負もある。
果たして一体,幸か不幸か,わからないけれど。
今日,久しぶりに呼吸ができた。ああ生きてるって思えた。
深く暗い海の底から浮上して,ふっと水面に顔を出したような。
久しぶりの水面が眩しくて,わたしはあぶくみたいな言葉を書き留める。
わたしはわたしの生きる場所がわからない。
ひろい「世間」の地図を広げて,そのどこに現在地のピンが刺せるか。
ばかみたいにひろい海に目印なんてありはしないし,グーグルマップは何も教えてくれない。
それに加えて,現実はもっと多次元だ。
現在地も分からなければ,過去も,未来も,分かりやしない。
きっと,世の中と自分がつながっている実感がある人は強い。
元々曖昧だったつながりを見失ってふらふらしていたら,海に投げ出されてしまった。
でも,わたし,息ができたよ。
少し時間はかかったけれど。
これからも相変わらずわたしは不器用で,流されるがままに揺蕩って,どことも分からない場所に意図のない旅をするんだと思う。
だから今は,深呼吸して,思う存分酸素を吸うよ。
そして周りを見渡して,おんなじような旅をしている人を見つけるんだ。
しばらくしたらまた海に潜ろう。
グーグルマップにはまだ描かれていない世界を探して。
4分の1が2分の1になるとき,わたしはどこにいるんだろう。